top of page

その悩み、外側からのアドバイスに混乱させられているのかも。

年末に募集したコーチへの質問コーナーには、愛に関する質問が集中しました。今回ご紹介する内容は30代女性の方とのセッションです。

「結婚したい。」

「ただ、結婚するなら、愛のある結婚をしたい。」というのが彼女の質問の答えの確信になるように感じました。

彼女から私のところに届いたメールの質問内容には、「愛の傷を癒した後どこへ向かうか」とありました。

具体的には、ご両親との関係性を癒すプロセスを進めるため、カウンセリングやコーチングを受けたり、ワークショップなどにも参加してきたのだそうです。

その甲斐あって、それまでお付き合いのあった過去の男性に対する愛情にも変化が出てきたそうです。今回は、その上で、どこに自分が進むかという質問でした。

ここで、この質問コーナーのセッションでの私の立ち位置をあらためて、明らかにしておこうと思います。

ラブコーチというのは、「愛の達人」でもなければ、「成功者」でもありません。また、高い成婚率を誇る「結婚相談者」でもありません。

比較しようのないことですが、他の誰かより、際立って愛されている「量」が多いとか、愛の体験の「質」が人並み以上に優れているという訳でもありません。

愛情関係において、うまくいっている人の話を聞くことや、その人のハウツーを取り入れてみることは、一つの手段として間違ってはいませんが、最近の傾向では、かえって自信を失くす人が増えているように感じます。

ここで、生存者バイアスということに触れておきたいと思います。生存者バイアスとは、生存した物のみを基準とすることで誤った判断を行ってしまうことを言います。

外側だけをみて、どんなにうまくいっているように見えることでも、自分にも、その生き方やハウツーがピッタリハマるかは、体験してみないとわからないということです。

コーチングのセッションで、基準になる「方向性」や「軸」は、すべてコーチを受ける側にあり、それらが明確でない場合は、それらを明確にすることから始まります。

対話を通して、自分の内側にフォーカスしていくことに最初は混乱する方もいらっしゃいます。何度か体験していただくと、自分の声を聴くことに興味を持っていただけるようになり、世の中の外側からのアドバイスに混乱させられていたのだということがわかってくるようになってきます。

ちなみに、世間を騒がしている「浮気」や「不倫」は悪いのか、「事実婚」のが良いのか、また最近、話題になっている「ポリアモニー」(複数の異性を同時に愛する)などに対しても、どれもこれも推進する意図はありません。どれが良いのか悪いのかを意見するつもりも全くありません。

個人的には、私は、「結婚」というスタイルを選択していますが、だからと言って、「結婚」に幸せを感じる基準が結婚している他の人と同じかどうかを確かめたこともありません。

愛情において、「その人にとって何が幸せなのかは、その人にしかわからないよね。」というのが私の個人的な立ち位置でもあります。

不幸せのレールにの上にわざわざ自分を縛り付けて、苦しんでいないかという視点だけは、持っておくと助けになると思います。

例えば、復讐・執着・支配など、恐怖の感情から達成しようとしている関係性は、

「どうして、私はいつもこうなるの?」

と欲しくないのにいつも満たされない状況が続く状況を生み出すことになります。

さて、今回、彼女の目が最も輝き、取り巻くエネルギーが最も明るくパワフルになっているように感じたのは、「愛のある結婚」といワードに辿り着いたときだったように感じました。

話しを進めていく中で、最後に、彼女は、今まさに「気になっている男性がいる」ということを打ち明けてくれました。

愛がそこにあるかないかのセンサーを「頭ではなく、ハートに聴く」ということで、この対話は、終わりました。

好きな人を想うと、心臓はドキドキします。この感覚は、息苦しい体験にもなり得ます。

昨年の今頃、私はインドで瞑想のグループに参加していました。そこで、相手を想う気持ちで息苦しいとき、ハートに手を当てて呼吸することが、とても助けになるという体験をしました。

私がインドにいる間にイタリアで過ごしていた夫の身に、近年稀に見る重大な出来事が起きてしまいました。通信のすれ違いやお互いの勘違いで、その出来事をきっかけに大喧嘩になり、時差も距離もある中で、その状況を解決する手立ては、何もありませんでした。

そのとき、ハートに手を当てて呼吸する瞑想を私は、一人ベッドの上で繰り返しました。ハートに呼吸をすると途端に感情が溢れてきて、どうすることも出来ない苛立ちや心細さ、不甲斐なさが身体中に充満して来るようでした。

「なんか逆効果?!」と頭では思いながらも、夜通しでも自分のハートに従おうと心に決めて、その状態でも受け入れることにしました。

ハートの中心に手を当てて呼吸を続けていると、自分が故意に呼吸をしようとしているその奥底に、もう少しリズムが速く、それでいて静かな呼吸が存在することに気づきました。

その呼吸に従っていると、不思議に、「大丈夫だ」という感覚がやってきました。ハートが間違うはずはなく、自分のハートと一緒にいれば安全だという感覚でした。

実際には、安心した直後に、海で一日中泳いだあとのように安らいだ感覚がやってきて、いつの間にか落ちるように寝てしまった。のでした。

ハートの音を聴きながら、その瞬間瞬間に寄り添うことでハートの声はどんどん強くなっていっていくように感じます。

それは、単純に好きな人に好きという感じを隠さないでいるとか、思い切って人に声をかけてみるとか、一方で、不快感や嫌だと感じるものを断つという感覚も大事になります。

ちょっとしたことの積み重ねで、先ほど前述した不幸のレールから、いつの間にか抜け出すことが出来ます。

さて、話は質問コーナーに戻ります。最後の15分ほどで、対話は、親の離婚問題に際し、特に母親に対してどんなサポートができるかということに話題は移っていきました。

実際に、サポートできるかできないという成果はさておき、

「正直にサポートしたいという気持ちがある」ということがわかってきたところで、彼女との貴重な時間が終わりました。

母親に対する価値観や感情、行動が変化することで、愛情生活が豊かになることは愛情の探究に、よくあるシンクロニシティ(共時性)です。 コーチングのグループでの対話が体験できる勉強会が4月よりスタートします。

詳細はこちらからご覧になれます。 https://touchyourtruth02.amebaownd.com

bottom of page