闇の時代の残念すぎるポジティブ思考
これまで人権を重んじてきた欧米で、今回、かなり限定された生活を余儀なくされるロックダウンではほとんど何の運動も起きなかったのは、むしろ不気味な感じさえしています。
個人的には、誰にとっても得体の知れない恐怖の強い状況であったのだろうと思っています。(実際には、私自身がそれらの動向の全体像を掴みきれていないと言うこともあるかもしれませんが)
今後、緊急事態宣言が解除され、少しずつ世界全体が前向きに動き始めようとするときに、
あるがままを受け容れよう
ポジティブに生きよう
心配しないで大丈夫
などの言葉を聞いて「それが出来れば苦労はしないよ」と感じてしまうことは自然なことなのではと思います。
私たちは、受け入れ難い現実の前では、強いストレス状態にあると言えます。そこで、今回は、ストレス反応とどう向き合うかと言うことをテーマにしたいと思います。
強いストレスに対する反応には「闘争」と「逃避」の二通りがあるという概念はよく知られています。狩猟採集生活をしてきた頃、ジャングルの中で、もし、ライオンと鉢合わせしたらと言うアレです。
ところが、恐怖に追い詰められた時の動物の反応を観察してみれば、ストレスによる反応が闘争と逃避だけではないことがわかると思います。
余談ですが男女の行動の違いを語る時にも良く使われる狩猟採集生活。【男は、狩りをしていて、女は、採集していたよ】と言うもの。この視点でさえ、1万年前以前は男女差ではなく、特性により役割分担されていたとする研究もあります。
何れにせよ、1万年以上昔の狩猟採集生活のストレス反応を未だに、現代人の心理状態に当てはめるのも、現実的とは言えません。(ただ、闘争逃避反応はストレス発散と言う意味では大事な視点と言えます。)
現実への対応という視点でストレス状態を観察してみると、「ジャングルの中で生活してるわけじゃないし」「目の前の上司はライオンじゃないし」とすぐさま行き詰まる事になります。
実際のジャングルでは、動物は追い詰められた場合、気絶して仮死状態になる事があります。
つまり、命は、恐怖を目の前にすると闘争や逃避だけではなく、コントロール不能になり、思うように動けなくなったり、仮死状態になるという状態があると言うことです。
数年前に企業で提供していたアサーティブコミュニケーション研修では、アグレッシブ型かパッシブ型かを分析するテストがあります。(わかりやすく言うと、喧嘩腰型か受け身型かと言う感じですかね)これは私の日本の現場での体験ですが結果は90パーセントが後者の受け身型でした。
ストレス状態にある人の行動は、ネット上などではアグレッシブ型が問題になりがちですが、どちらかと言えば、多くの人の反応は後者だとする予測が現実的な味方のように思います。
そして、適切に感じられなくなる、仮死状態のようになる人が増える可能性も高いのではと感じています。不安を煽るためにではなく、適切な判断や行動をする人が増えるように、ここでは観察する視点を紹介したいと思います。
具体的には、
思考が停止する
感情・感覚を感じなくなる
適切な判断・行動を出来なくなる
現実から乖離する
声が出なくなる
創造性、想像力が発揮出来なくなる
など。
さらに、消化や代謝、免疫機能が適切に働かなくなることもあります。そして、冒頭でも書いたように、これらの反応は、強い思いや意志ではコントロール出来ない領域であることがポイントなのです。
これらの反応は、生きる上で安全を感じない状況により、防衛のスイッチがはいり、そのスイッチが切り替わった事には自覚はなく、その恐怖感にさえ自覚がない場合もあります。
この時に必要なのは、無理に前向きに受け取れない状態を婉曲させてポジティブに捉えようとする事ではありません。ポジティブ心理学の観点から、ネガティブな反応を示す人の方がより現実へ適切に対応していけるという考察もあります。
それでは、こんなとき、どうしたら良いのでしょうか?
この状態の時は、一人でなんとかしようとする事は、望ましくありません。最低限必要なことが2つあります。
1. 自分以外の存在で中立的な存在とコミュニケーションをとること。
2. ポジティブやネガティブという概念を脇におき、理想と現実のギャップを感覚として感じる視点。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
上記の2つの視点をもつためには適切な環境とコミュニケーションが必要です。これらの視点を網羅したオンラインでのグループセッションがスタートします。
Udara がファシリテートするボディセンターコーチ
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