地球外から大切な使命を持って生まれて来たはずだと信じたかったあなたへ。
昨日は、誕生日でした。朝、目が覚めると同時に「好きなことを何でもしていいよ」と言われ有頂天になったものの、日常的に結構、好きなことをして過ごしていることもあり、あらためて思いつくことは、それほど物凄いインパクトのあることでない以下の4つでした。
・ゆっくりランチを食べること。
・久しぶりに映画館に映画を観ること。
・オーダーメイドのセーターを注文すること。
・瞑想三昧の日どりを決めること。
最後の思いつき以外の共通項は、やりたいと思っていても車がないと一人では出来ないことでした。(笑)
ここでご紹介したいのは「wonder」という映画が来春日本でも公開されるそうなので、オススメしたいなというお話です。ジュリア・ロバーツ、オーウェン・ウィルソンが夫婦役を演じていますがこれが結構いい味を出しています。
映画公開前に原作は日本で出版されており、あらすじは生まれつき顔に障害があるオギーが中学生になってはじめて学校に通いはじめます。最も多感な年頃に学校内で彼に降りかかる様々な困難を家族とともに乗り越えるというお話です。
この作品の興味深いところは、頑張るオギーVSそれ以外の普通のこども達という視点ではなく、オギー以外のこども達もそれぞれの立場がもつ困難を鮮やかに表現しているところです。後から知ったのですが、日本でもオギーの視点から書かれた
バージョンと、オギー以外のじめっ子のジュリアン、オーガストの幼なじみのクリストファー、優等生のシャーロットの3人の視点から語られる「もうひとつのワンダー・ストーリー」。 があります。
つまり、島国である日本人の陥りがちな水戸黄門的な善人VS悪人というストーリー構造ではないのです。ちなみに原作が広まったアメリカでさえ、ジュリアン(いじめられっ子)になるな運動が起きたことから、作者が続編を描いたというエピソードがあるそうです。「正しい答えは一つ」と考えがちな私たち日本人のパラダイムを崩壊させてくれます。
来春、日本でも公開されるそうなのでネタバレしないように詳細の言及は避けて、この映画を観たことで思い出されたシーンについて書きます。
卒業まで、あと1年を残して転校した私は、生まれてはじめて明らかにいじめだと認識できるいじめにあいました。登校すると靴箱の中にポルノ雑誌切り抜きが詰められていたり、椅子の上に山ほどの画鋲が置いてあったり、クラス全員から口を聞いてもらえない日もありました。
あの頃、ショックのあまり感じることの出来なかった感情は、何度も向き合って来ましたが、この映画を見ることで、意識化できていなかった未完の体験が何度もフラッシュバックされ、当時、小学校6年生の私には感じることも、言葉にすることもできなかった感情を味わい消化することができました。
当時、空を見上げては、「私はきっとどこか地球とは違う星から何かの使命を持ってやって来たんだ」と空想していました。自分は宇宙から来て何かをなし得る存在なのだと信じることで、少し人との距離を置くことに成功していたのだと思います。
遠い星から何かの使命を持って生まれて来たのだとため息をついて空を見上げたことが一度でもある人なら、何か自分の内側に新しい領域が生まれ、嬉しい変化が訪れるきっかけになるのではと思います。また、今まさに、いじめに遭っている人、いじめている人にも、いじめを見ているけどどうすることもできないと感じている人にも、オススメの映画だと思います。